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上手い下手ではありません 水墨画教室

当山では、檀家様や、地域の方々のため、そして多くの人たちに仏教を知っていただくために「講」や「教室」「会」を数多く開催しています。
今回はその中の一つ「水墨画教室」のご紹介です。
教室の先生は「海野次郎(うんのじろう)」先生です。
先生は作家として活躍され、数多くの展覧会への出品、個展の開催をされています。

水墨画教室を開設したいきさつ

水墨画教室を開設したいきさつは、以前より、様々な方が集まり地域のことを話し合う会議で当山和尚と知り合い、親しくなったというのが最初のいきさつです。

その中で、以前よりお知り合いの彫刻家 伊藤光司郞先生が当山で彫刻教室を開催されていましたので、海野先生も教室を開催したということです。

海野先生曰く「特別劇的なことはないですよ」とのことです。

当初は宗建寺会館(別館)で行われていましたが、その後、当山敷地内の蔵の二階に場所を移し、現在は「宗建寺別院」で行うことになりました。

教室について

ここからはインタビューを交えながらの教室ご紹介です。

生徒さんの人数は何人ですか?

海野:全部で8人です。

男女比は?

海野: 7:1で女性の方が多いです。

年齢構成はどのような感じですか?

海野:大体60歳位でしょうか。

教室の仲間にしてもらうには経験は必要ですか?

海野:経験は必要ありません。
全くの初心者の方でOKですよ。

持ち物や道具はどのようなものが必要ですか?

海野:お習字などの手持ちの道具があれば持ってきてください。
そのなかで足りないものは足していって頂きます。
子供の頃の習字道具でよいので一応は持ってきてみてください。

服装は?

海野:やはり汚してしまうかも知れませんので、汚れてもOKな服装でいらしてください。

どのような教室ですか?

どのように教室は進められていきますか?

海野:カルチャーセンターとは違い、何回やって終わりということはありません。
基礎からゆっくりとお教えします。

入り口は緩やかですけれども、少しずつ階段を上るようにしていきますし、道具などはそれに合わせて変わっていきます。
ゆっくりと楽しみながら行います。

この教室の特徴は何ですか?

海野:その昔、水墨画はお坊さんがやっていまいしたよね、つまり自分を発見する稽古です。
なのでこの教室も水墨画を上手に描こうという教室ではないんですよ。

だから上手な描き方を教わりたい人にはちょっと合わないかもしれません。
それが大きな特徴で有りコンセプトです。

自分の好きなように画きたいという人にとても向いている教室です。
もし、上手に画きたいと思うのでしたら、他の教室がいいと思います。

その他に水墨画を教える上での先生のお気持ちや考え方はございますか?

海野:技術を学ぶという考えでいくと、上手い下手というのはお手本に似せる事が上手、似せられないないことが下手となります。
しかし、描くこは自分を出せるということだと思います。

自分を出せれば良いので、その稽古をしているのです。
だから人から誉められたいとかそう思うと自分が出てこない。

さらに、お手本というのは自分ではない誰かが画いたものだから、(模写は)自分が誰かになると言うことですよね。
ということは絶対お手本より上手くなることはない、お手本を書いている人が自分を出しているのだからその人が一番上手い。

誰が真似したってその人に勝てるわけがないですよね。
だから、それはやめましょう。

この教室では、「自分が画いて気持ち良い」「ああ良いな」「自分の感じが出たな」というのをやりたいなと。
それこそ、この教室をお寺さんで開催している意味と思います。

水墨画は「簡単な道具で、解ってくると一生遊べるものじゃないか」と思いますし、そんな教室です。
ぜひ皆さんも一度、覗いてみてください。

 

今後の予定

ゆったりとした時間の中インタビューは終了しました。
今後の教室の予定としては、来年の6月に教室展を開催するとのこと、場所は三鷹美術ギャラリーです。

 

海野先生の今後の予定

海野先生の今後の予定は10月に奥多摩アートフェスティバル(おくてん)に参加されるとのこと。
そして11月に三鷹で先生の個展があります。
そして目標としては「水墨画を多くの皆さんに描いてもらうこと」とのことでした。

ぜひ皆さんも教室にいらして下さい

短い間のインタビューでしたが、先生の水墨画、日本画に対する考え方や、水墨画の歴史、モチーフの選び方など多くのお話がありました。
それらのお話は余り教室ではされないとのことでしたが、大変興味深い話でした。
お教室に通うといつかはそんなお話が聞けるかも知れませんね。

 

宗建寺水墨画教室

1 組:水墨画の初心者から上級者まで、日々の稽古を通して描く事を学びます。
日 時:第2・4木曜日 午後1時30分から3時30分
場 所:宗建寺別館
入会金:なし
月 謝:5,000円

 

2 組:ある程度学習の進んだ方で、作画の技法、思想的な問題など高度なものを学びたい方のための講座です。
日 時:第3土曜日 午前10時から午後3時
場 所:宗建寺別館
入会金:なし
月 謝:7,000円
※時間的な問題で1組に参加できない方のために、午前中を開放しています。
【ご注意】各教室とも画材・光熱費などとして¥500円を納入お願いします。

連絡先・お問合わせ先

海野次郎
http://unnojiro.com/profile/index.html
メール
info@unnojiro.com

宗建寺
〒198-0043
東京都青梅市千ケ瀬町6−734
☎ 0428−22−3580

連絡先・お問合せはこちら

海野次郎プロフィール

1952 東京都中野区に生まれる。
1971 京都市立芸術大学美術学部日本画入学(1975年同卒業)
水墨画を学ぼうと志すが、敗戦後の日本の美術学校では、伝統の水墨画を学ぶ土壌は崩れていた。
指導教官より自習以外に無いと告げられる。
1983 二人展を皮切りに、1986年から個展を始める。
1986 東京都奥多摩町に移り住み、水墨画の研鑽に集中する。
1997 「ぎゃるり しらの」東京 にて水墨画の初個展。
1999 「津田画廊」京都 にて水墨画個展 2001年より毎年個展(至現在)
日本画絵具舗の仲介により紙舗、筆師、表具師などとの交流を通して、伝統的な技法や用具について広く学ぶ事が可能になる。
2010 「水墨思想」冊子を発行
自習の為に十年の時間を費やしたので、水墨画の構造を明確にして、残しておこうとの意図による。
奥多摩町立せせらぎの里美術館 個展。「水墨思想」その意味世界
水墨画の歴史的意味と未来への展望を示す運動に着手。
2011・2012 東京八重洲ブックセンター個展
形にとらわれない展示をしながら、水墨思想の意味世界を展開する個展を開く。
2013 6月銅版画工房アトリエ凹凸にて、「知っていてもよく解らない、水墨画」を巡る、展示とワークショップを行う。
日本の芸術観を啓蒙普及する為に、体験的ワークショップ「日本水墨画の原理—間—」、や「精神芸術としての絵画」を理解する為のワークシートなどを制作実施。
2015 「奥多摩町立せせらぎの里美術館」にて、水墨画公開制作及びレクチャー10月17日〜25日
イタリア「FLORENCE BIENNALE」出展入賞
2016 パリ日仏天理文化協会 3月8日〜19日個展
「三鷹CAPARISON GALLERY」 東京都 5月8日〜5月16日個展
パリ日本文化会館展示 5月
ニューヨーク、天理文化協会ギャラリーにて、
「臺 日 美水墨交流展」Taipei Cultural Center in New York 参加 7月7日〜30日
パリ日動画廊・水墨画グループ展に参加 9月
2017 「海野次郎展ー奥多摩で水墨画を描くということ」 奥多摩町立せせらぎの里美術館 10月11日~29日